
無線職人のつぶやき
2025/04/03
UWB(Ultra Wide Band)超広帯域無線通信“浮沈”

UWBは長年無線開発従事してきた中で、最も興味深い“浮沈”の無線通信方式です。
米軍需レーダーシステムなどの機器にこの技術が応用され、2002年に米国連邦通信委員会(FCC)の認可を受け、米国内で民間利用が始まりました。
この影響を受け、国内でも利用可能となる法整備がされました。
無線ネットワークとしては、WiFi, Bluetooth、ZeigBee等PAN(Personal Area NetWork)で、大きな特徴は、高速通信と、データ通信相手間下で距離を精度よくセンシング(以降、測距)できることです。
1.100MBPS高速無線伝送技術―ワイヤレスUSBで“浮上” 。
2004年頃、WiFiが普及し始めたころ、更なる高速PANの需要下で“電撃的デビュー”。
当時での通信速度100MBPSは、大いに盛り上がりました。
米大手デバイスメーカー2社が、主導権争い、高速通信のみを主体としたグループと、高速通信+測距両立を挙げたグループとなり、最終的に、高速通信+測距が一旦退く形で「超高速マルチバンドOFDM」方式が先行リリース。
しかし、WiFi高速化は、別方式(11b/11a/11g/11n/11ac/11ax/11ad/11ah)での研究も開始されており、更なる高速通信実現の見通しがつき始めていました。
又、USBには、給電目的もありますので、無線化のニーズとしては・・・???
気が付けば“沈”(沈没とまでいいませんが!)
2.測距が可能な通信方式で再浮上
カーナビに代表される位置測位は、電波が届かない屋内では利用不可能ですが・・・。
高速通信+測距両立のグループが、高速通信を捨てて“測距”が可能な無線通信を水面下で活動。
測距センシングデータを元に、屋内でのRTLS(Real Time Location System)が構築可能なデバイスが登場し“再浮上”。
しかし、RTLSはカメラ等別センシングデータでも代用可能であり、又、見通しがきかない電波環境での測距データの精度劣化が顕著。
国内においては電波法令上、屋外での使用は不可能、かつ、約5GHzを挟んでLow & High×2BANDに分割されており、測距通信はHighBANDでしか運用できない!等もあり気が付けば再沈。
3.セキュアな通信方式で再々浮上
高級車キーレス開錠暗号キーのデータ乗っ取りによる盗難防止策として、“再々浮上”!
通信相手(この場合、車⇔運転手)と精度良い距離センシングデータを開錠条件に付加することが有効対策と判明。
Apple社スマホに搭載する等影響あってか、国内法令も一部HighBAND、周波数CHの屋外使用解禁!
しかし、車両メーカーが、別手段での盗難防止対策を打ち立て、再々沈。
4.車載高速無線通信ネットワーク
車載ケーブルのワイヤレス化で車両メーカーが傾注。
車両設備各ユニット間、狭く閉ざされた空間内で通信品質において相性良と判明。
“再々々浮上”!
今後のUWBの展開も目が離せません!
米軍需レーダーシステムなどの機器にこの技術が応用され、2002年に米国連邦通信委員会(FCC)の認可を受け、米国内で民間利用が始まりました。
この影響を受け、国内でも利用可能となる法整備がされました。
無線ネットワークとしては、WiFi, Bluetooth、ZeigBee等PAN(Personal Area NetWork)で、大きな特徴は、高速通信と、データ通信相手間下で距離を精度よくセンシング(以降、測距)できることです。
1.100MBPS高速無線伝送技術―ワイヤレスUSBで“浮上” 。
2004年頃、WiFiが普及し始めたころ、更なる高速PANの需要下で“電撃的デビュー”。
当時での通信速度100MBPSは、大いに盛り上がりました。
米大手デバイスメーカー2社が、主導権争い、高速通信のみを主体としたグループと、高速通信+測距両立を挙げたグループとなり、最終的に、高速通信+測距が一旦退く形で「超高速マルチバンドOFDM」方式が先行リリース。
しかし、WiFi高速化は、別方式(11b/11a/11g/11n/11ac/11ax/11ad/11ah)での研究も開始されており、更なる高速通信実現の見通しがつき始めていました。
又、USBには、給電目的もありますので、無線化のニーズとしては・・・???
気が付けば“沈”(沈没とまでいいませんが!)
2.測距が可能な通信方式で再浮上
カーナビに代表される位置測位は、電波が届かない屋内では利用不可能ですが・・・。
高速通信+測距両立のグループが、高速通信を捨てて“測距”が可能な無線通信を水面下で活動。
測距センシングデータを元に、屋内でのRTLS(Real Time Location System)が構築可能なデバイスが登場し“再浮上”。
しかし、RTLSはカメラ等別センシングデータでも代用可能であり、又、見通しがきかない電波環境での測距データの精度劣化が顕著。
国内においては電波法令上、屋外での使用は不可能、かつ、約5GHzを挟んでLow & High×2BANDに分割されており、測距通信はHighBANDでしか運用できない!等もあり気が付けば再沈。
3.セキュアな通信方式で再々浮上
高級車キーレス開錠暗号キーのデータ乗っ取りによる盗難防止策として、“再々浮上”!
通信相手(この場合、車⇔運転手)と精度良い距離センシングデータを開錠条件に付加することが有効対策と判明。
Apple社スマホに搭載する等影響あってか、国内法令も一部HighBAND、周波数CHの屋外使用解禁!
しかし、車両メーカーが、別手段での盗難防止対策を打ち立て、再々沈。
4.車載高速無線通信ネットワーク
車載ケーブルのワイヤレス化で車両メーカーが傾注。
車両設備各ユニット間、狭く閉ざされた空間内で通信品質において相性良と判明。
“再々々浮上”!
今後のUWBの展開も目が離せません!
- 深川秀午(ふかがわしゅうご)
-
幼少の頃からラジコンに熱中し、なぜ線がないのに動くのか不思議で無線の仕組み、特にラジオコントロール部分に興味を持った。大学卒業後は回路設計技術者として情報端末用の無線機(主に携帯電話に関する無線)の開発に従事。開発歴は30年以上におよぶ。
現職はアドバンストテクノロジー室のマイスター。
あわせて読みたい