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無線職人のつぶやき

中級編

2023/09/21

無線におけるノイズ、雑音の話

無線コラムアイキャッチ
「無線におけるノイズ、雑音の話」

 例年夏季休日は、地元九州の美しい渓谷、渓流地に行って周囲自然散策を、最近は、お気に入り近隣の渓流地でゆっくりした時間を過ごしています。
 そこで、不便なのは、電波が届きにくい場所なので、スマホ、地デジが視聴しづらい。
 地デジはあきらめるとして、ネットで動画視聴は退屈しのぎに欠かせないですけど・・・。
 
 ではなぜ、電波強度が弱まると、動画が停止したり、通信が切断されたり影響が発生するのでしょうか?
 まず、電波が弱まると通信エラー(誤った情報を受信)が多発するようになります。
 エラーが発生する要因は、受信された信号の配下に無線定量的にノイズ(雑音)が存在し、ノイズは常に信号と足し合わされています、(信号 + ノイズ)ノイズが信号に対して同じか、それ以上ぐらい (信号 =< ノイズの関係性)だと通信エラーが発生してしまいます。
 信号がノイズに対してきわめて大 (信号 >> ノイズの関係性)だと通信エラーはありません。
 
 要約すると、電波が弱くなってもノイズを減らせば通信エラーはなくなります。
 では、どのように、どこまでノイズを減らすことができるのでしょうか?
 無線機設計にあてはめて深掘りしていきます。

 まずノイズは外来ノイズと内部(自己無線機内にある)のノイズに大別されます。
 外来ノイズは、Wi-Fi接続中に電子レンジ(ノイズ元)を稼働させると通信状態が怪しくなってしまう等、人工的に外部から発せられるノイズや自然現象的に発生する雷も外来ノイズです。
 この外来ノイズは、自己以外の機器や自然現象ですので、原則自己努力で減らすことは不可能です。
 それと比べて内部ノイズは、自己機器内部に存在しますので、業界用語で”自己ノイズ被り”といい自己努力で減らすことは可能です。
 どのように減らすか?

 無線信号は元々非常に微弱(数μVオーダー)なので、被り元となるノイズ源の計測は繊細で又、ノイズ源と特定するには勘所を要します。
 例えばスマホのノイズ源は、液晶、カメラ、CPU、メモリー等高速ディジタル回路で動作する部品群で無線回路設計者は、初期設計段階で低ノイズ部品の選択、ノイズフィルタ、シールドアース、また、プリント基板設計面においては部品配置、部品間配線ルート等、高周波無線設計ノウハウを駆使して電波が弱くても通信が途切れないようノイズと格闘しています。
 どこまで減らせるか?

 自己ノイズ被りを克服すると、熱雑音と1/fノイズと呼ばれるx2種類のノイズが現れてきます。(このレベル以下は減らせない)
 熱雑音は、別名 k xT x B 雑音とも言って、雑音強度がTemperature 温度に比例する雑音で、以下x3つのパラメーターを代入して掛け合わせて雑音強度を算出できます。
 k=ボルツマン定数、T=Temperature(温度)、B=BandWidth(帯域)
 1/fノイズは、ランダムテレグラフノイズと呼ばれ、半導体部品内にある通電中のトランジスタ内部で定常的に発生しています。
 興味深いことに、1/fノイズは、別名 1/f”揺らぎ”、規則性と不規則が調和されたゆらぎと言われ人の脳にリラクゼーションを与えてくれるらしいです。

 ノイズと格闘してたどり着いた、トランジスタ内の1/fノイズと帰宅時車内で聞いている、1/fノイズが詰まっているらしいMISIAや徳永英明のヒーリングソングは、同種類のノイズなんですね~。
 職業上ノイズと聞くだけで不快感あるのですが、何か複雑な心境です。
 
 
深川秀午(ふかがわしゅうご)
この記事を書いた人の顔写真

幼少の頃からラジコンに熱中し、なぜ線がないのに動くのか不思議で無線の仕組み、特にラジオコントロール部分に興味を持った。大学卒業後は回路設計技術者として情報端末用の無線機(主に携帯電話に関する無線)の開発に従事。開発歴は30年以上におよぶ。
現職はアドバンストテクノロジー室のシニアエンジニア。

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